「結婚するということは、妊娠したら出産するということだからっ」

SEKAI NO OWARIのメンバーやスタッフに啖呵を切ってみた。

だが、私にも、実際よく分かっていなかった。

それは、 未開の地を開拓するようなものだった ――― 。

「結婚するということは、

妊娠したら出産するということだからっ」

SEKAI NO OWARIのメンバーやスタッフに

啖呵を切ってみた。

だが、私にも、実際よく分かっていなかった。

それは、 未開の地を開拓するようなものだった ――― 。

ざくろちゃん、はじめまして
  • 発売日
    2023年4月27日
  • 定 価
    1,760円(本体1,600円+税10%)
  • ISBN
    978-4-16-401005-1
  • 仕様
    四六判上製カバー装(208ページ)

ざくろちゃん、はじめまして 著者:藤崎彩織

妊娠後、コントロールできなくなった体と心。膨らむ被害妄想。
愛しい息子の誕生後、夫婦に襲いかかった産後うつ ――― 。

こんなに幸せなのに、幸せだと気づくのは
なんて大変なのだろう。

スタジオから直行した出産、ステージ上での失禁、そしてメンバーからのメールに涙した日。

一人の女性として、妊娠・出産、育児の壮絶体験を包み隠さず綴り、切実な願いを込めた、爆笑&感涙の傑作書き下ろしエッセイ!
子どもを生んだ人、生まなかった人、生むかもしれない人、そして男性にこそ読んで頂きたい1冊です。

結婚することになった時、すぐにSEKAI NO OWARIのバンドメンバーとスタッフに言わなくては、と思ったことがある。
「結婚するということは、妊娠したら出産するということだからっ」
啖呵を切ってみた私にも、実際よく分かっていなかった。
それは、未開の地を開拓するようなものだった ――― 。
(本文より)

藤崎彩織『ざくろちゃん、はじめまして』
特装版について

最新エッセイ『ざくろちゃん、はじめまして』の刊行を記念して、初版限定完全受注生産による特装版をご用意いたしました。
布装丁のハードカバー、グラシン紙巻き、三種の箔押し、特製函入りという豪華な装丁の、本棚にずっと残して頂きたい特別な本です。
本の見返しには、著者の藤崎彩織による直筆サインと、著者愛用の落款が入ります。当サイト限定でのお取り扱いです。

※本商品は開発中の商品です。仕様が通知なく変更になる可能性がございます。
また、お使いの環境(モニター、ブラウザ等)の違いにより、色の見え方が実物と若干異なる場合がございます。予めご了承下さい。

【2023年7月21日(金)のお届け予定となります。】
※天候や交通その他事情等によって、お届けが遅れる場合がございますので予めご了承ください。

定価

8,800円(本体8,000円+税10%、送料別)

仕様

・特製くるみ函入り(箔押し、内側にも印刷、グラシン紙巻き)
・表紙は肌触りの良い綿の布を使用
・三種の箔を使用した模様
・スピン紐付き
・花布(はなぎれ)付き
・見返しに著者直筆サイン入り
・サインの隣に、著者愛用落款入り
・208ページ

※完全限定生産のため、追加の受注はありません。
※ご予約後のキャンセル、返品はご対応いたしかねますので、予めご了承ください。
※転売目的等でのご購入は固くお断りをしております。

受注受付期間

2023年2月16日(木)~2023年3月20日(月)

受注受付は終了しました。

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みんなで一緒に頑張っている中で、誰も悪者がいないんだけれど、たくさん大変なことがある。その現実が書けたらな、と。

【『ざくろちゃん、はじめまして』刊行記念インタビュー 】

昨年末に日本レコード大賞を初受賞したことでも話題となった4人組バンド・SEKAI NO OWARIのSaoriこと藤崎彩織さんが、4月27日に水鈴社より最新エッセイ集『ざくろちゃん、はじめまして』を刊行する。自身の妊娠・出産および育児体験をふんだんに盛り込んだ22編+αには、仕事と家事育児を両立する難しさや、この6年の間に起きたバンドを取り巻く環境の変化やクリエイターとしての意識の変化、人間関係を築くうえでの心構えなど、さまざまなアイデアや切実な願いが、軽やかな筆致で綴られている。(取材・文 吉田大助)

仕事が忙しい時期と子育てが忙しい時期
両方を味わえた今だったら

――― 本書は「妊娠・出産編」「育児編」の二部構成で、2017年末に誕生した息子さんや旦那さんの存在がフィーチャーされています。3冊目のエッセイ集で、母となったここ6年のことをギュッと凝縮したものを書こう、と決めた理由とは?

藤崎 一番大きなきっかけは、コロナ禍で子育ての時間が一気に増えたことでした。産後は仕事の割合が多かったんですが、仕事が相次いでキャンセルになって、家にいて子どもと長い時間向き合うようになりました。その時間のおかげで、一人で息子と一緒に過ごしていた夫の気持ちってこうだったのかなとか、子育てってこういうことなのかも、仕事に向き合うってこういうことなのかも……と考えることができた。仕事が忙しい時期と子育てが忙しい時期、両方を味わえた今だったら、いろいろなことを冷静に俯瞰(ふかん)して書くことができると思ったんです。

―――「一 出産宣言」「二 妊娠発覚」に始まり、「三 妊娠六週・君はざくろの種」以降は細かく時間を区切りながら、この6年の出来事が綴られていきます。「一 出産宣言」では何が書かれているかというと……結婚を決めた彩織さんが、バンドメンバーたちに「結婚するということは、妊娠したら出産するということだからっ」と、威勢よく啖呵を切っている姿です。その発言の裏には、複雑な心情があったんですよね。〈私のバンドの他のメンバーは三人とも男性で、彼らのパートナーが急に妊娠したとしても仕事が出来なくなることはない。私だけが、妊娠でバンドを止めてしまう可能性がある……というプレッシャーは、いつも頭の片隅にあった〉と。

藤崎 今もしもメンバーの誰かに子どもができたら、一言目に「おめでとう!」と、「一緒に頑張っていこうね」と言うと思います。
 私だけでなく、なかじんやLOVEさんにも子どもができたし、家族ぐるみで潮干狩りやスキー旅行にも行っているので、子どもが産まれることの素晴らしさを分かち合えているからです。でも、私が妊娠した時はまだ誰も子どもがいなかった。あまりにも分からないことだったから、当時は理解して貰えるのか、不安が募ってしまいました。実際に私の妊娠がわかった時は、メンバーやスタッフは「おめでとう」というより、「どうしたらいいんだろう」と戸惑っている感じでした。

藤崎彩織(ふじさき・さおり)
1986年大阪府生まれ。2010年、突如音楽シーンに現れ、圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感で「セカオワ現象」と呼ばれるほどの認知を得た4人組バンド「SEKAI NO OWARI」では“Saori”としてピアノ演奏とライブ演出、作詞、作曲などを担当。研ぎ澄まされた感性を最大限に生かした演奏はデビュー以来絶大な支持を得ている。文筆活動でも注目を集め、2017年に発売された初小説『ふたご』は直木賞の候補となるなど、大きな話題となった。他の著書に『読書間奏文』『ねじねじ録』がある。

藤崎彩織の好評既刊